スポーツイベントや音楽コンサートなどのチケットの不正な転売を禁止する法律が、12月8日、国会の参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。

出典元:livedoor NEWS 取引が急拡大する「チケットキャンプ」の功罪

チケットの不正転売禁止法では、興行主の事前同意を得ず定価を超える価格で転売することを禁止し、違反した場合には、1年以下の懲役や100万円以下の罰金を科す規定が盛り込まれています。

この法律は、来年6月に施行されます。

昨年の12月、世を賑わせた、チケットキャンプが商標法違反および不正競争防止法違反の容疑で捜査当局による捜査を受けてから、わずか1年、異例のスピード成立です。

 

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チケットの不正転売禁止法が成立、ダフ屋行為を排除へ

この法律の審議は、11月30日、衆議院文部科学委員会が、スポーツイベントや音楽コンサートなどのチケットの不正転売を禁止する法案を衆議院本会議に提出することを全会一致で決めたもので、12月4日の衆議院本会議で可決され、参議院へ送られたものです。

その後、東京オリンピック・パラリンピックのチケットが来年、2019年春から販売されるのを前に、8日の参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。

チケットの不正転売禁止法では、会場周辺などでチケットを転売する、いわゆる「ダフ屋行為」に加え、インターネット上での不正な転売が対象になっています。

具体的には、スポーツイベントや音楽コンサートなどのチケットを主催者の同意がないまま、販売価格よりも高い値段で転売したり、転売目的で譲り受けたりすることを禁止するものです。

出典元:ニコニコニュース ついにチケット転売規制法が成立へ!

ところで、ダフ屋の「ダフ」はチケットや乗車券などを意味する「札(ふだ)」を逆さにした隠語ですが、これまではもっぱら各都道府県の迷惑防止条例で取締りが行われてきました。

しかし、条例という性質上、そうした規制のない県では取締ることができず、昨今問題となっているインターネットを舞台としたダフ屋行為も規制の対象外になっていました。

一方で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫る中、国際オリンピック委員会からもダフ屋の規制を求められてきました。

そこで、ネットを含め、ダフ屋行為を正面から全国一律で規制する新規立法が必要だったというわけです。

興行主から見れば、ダフ屋行為はあるまじきもの、チケットの転売利益を得る目的で適正価格での販売を邪魔する行為なので、迷惑極まりないでしょう。

しかし、ユーザー目線ではどうでしょうか。

お気に入りの選手やアーチストを何としても、直接見たい、けれどもチケットの取得は至難の業、少々高くてもいいから誰かチケットを譲ってくれないものか、と考えたくなるのも人情です。

つまり、価格を上乗せしてもいい、そのくらい見たい思いが強い、というケースですね。

これを認めると、話が相当ややこしくなるのでしょうね、きっと。

両者のバランスが上手く取れて、両者の納得するちょうどいい方法が、何か見つかればいいのですが。

 

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違反者は1年以下の懲役や100万円以下の罰金を科す規定

規制の対象となる行為は、次の2つです。

(a) 業として、興行主やその委託を受けた販売業者の事前の同意を得ないで、販売価格を超える金額で有償譲渡すること(不正転売

(b) (a)の目的で、譲り受けること(不正仕入

これらの行為に及んだ場合、1年以下の懲役か100万円以下の罰金となります。

ケースによっては、両者を併せて科されることもあります。

国内だけでなく、日本国民が国外でこれらの行為に及んでも処罰されます。

事務手数料や譲渡代など上乗せ分の名目が何であれ、興行主側が設定した販売価格を1円でも超過していればアウトです。

「有償」とは対価性を伴うということなので、現金に限らず、転売金額に相当するプリペイドカードやギフト券、物品などとの交換も許されない行為としています。

 

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対象はスマホ画面に表示される「QRコード」チケットも

この法律の対象は、映画や演劇、音楽、スポーツなどの興行のチケットです。

対象とする条件は、

  • 販売時に不正転売の禁止が明記されている
  • 日時や場所が決まっていて、入場者が事前に登録されていたり座席が指定されている
  • 販売時に入場者の名前や連絡先を確認し、確認したことをチケットに明記している

などです。

紙に印刷されたチケットだけでなく、QRコードやICカードをチケットとして使う場合も含まれます。

興行の主催者には入場時に本人確認をする努力義務も付け加えています。

また、主催者にはチケットを買っても使わない人が、買った値段でほかの人に譲り渡すことができるような仕組みづくりに努めるよう求めています。

現在、チケットの不正転売を不可能とするために、次のようなシステムが導入されることが期待され、一部、すでに実施している興行主もいます。

  1. デジタルチケット化と本人確認の徹底
  2. 興行主側によるリセールサイトの設営
  3. 不正転売チケットの無効化と購入者のブラックリスト入り
  4. チケット販売価格の多様化や柔軟化

デジタルチケットは、チケットが表示されるIDやパスワードをスマートフォンと紐付けした上で、購入時に登録したクレジットカードや顔写真付きの身分証明証、スマートフォンの提示を入場時に購入者や同行者に求めたり、顔認証システムを導入して本人確認するしくみのチケットです。

しかし一見、デジタルチケットは、先進的なシステムで防犯に優れているようにも見えますが、スマートフォンでの手続きの煩雑さや、ガラケーでは利用できない不便さなど、普及に至るまでには問題が残っています。

便利になればなるほど、情報弱者は不便になってしまう世の中です。

何かを禁止すれば、それを取り締まるためのシステムが必要になり、一般市民が気軽に好きな選手やアーチストに会いに行けなくなるのは、本末転倒な感じもしますね。

 

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