梅毒の2018年患者数が全国で増加傾向で、スマホなどでの出会い系のアプリの利用が感染原因の一因ではないかと見られています。

11日、国立感染症研究所は、性行為を通じて感染する梅毒の2018年患者数が速報値で6923人だったと発表しました。

出典元:毎日新聞 梅毒患者、48年ぶり6000人超 出会い系アプリ一因か

梅毒の患者数は、前年より約1100人増え、48年ぶりに6000人を超えました。

梅毒は性行為を通じて感染をしますが、感染が広がっている原因として、スマートフォンの出会い系アプリの利用があるとの見方も出ています。

梅毒は、病原菌の梅毒トレポネーマが、性行為を通じて体内に入り感染します。

早期にペニシリンなどの抗菌薬を服用すれば治りますが、治療が遅れると脳や心臓の合併症を引き起こします。

有効なワクチンはありません。

コンドーム使用は完全ではありませんが、一定の予防効果があるとされています。

 

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2018年の梅毒患者は全国で6,923人と増加傾向

梅毒は戦後間もない時期まで猛威を振るいましたが、近年は抗生物質の普及で患者数が減少、年間数百人まで減りました。

ところが一転、患者数は11年から8年連続で増加を続けています。

感染すると発疹のような症状が表れ、病気が進むと脳や神経に障害が出ます。

特に注意が必要なのが妊婦で、胎内で感染した子どもに失明など重い症状が出ることがあります。

患者数が急増しているのが20代女性で、3年間で約10倍になっていて、18年1~9月の患者統計によると、20代女性は893人で全体(5,081人)の2割近く、女性患者(1,730人)の5割を占めました。

男性では20~40代の幅広い年代に広がり、地域別では東京都(1,284人)や大阪府(874人)など大都市部で目立っています。

 

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出会い系アプリの利用が、梅毒感染の一因か?

以前から指摘されている主な感染経路として、性風俗産業の利用者と従業員の接触があります。

新宿区保健所が区内の医療機関を受診した患者を調べたところ、異性間性的接触による感染のうち、男女とも約半数は性風俗産業を半年以内に利用したか、関連の仕事に従事していた人だったそうです。

さらに最近の傾向として、出会い系アプリやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用を指摘する専門家もいます。

出会い系アプリは簡単な操作を売りにして12年ごろから普及し、売買春の温床にもなっていると言われています。

出典元:現代ビジネス 日本で爆増する梅毒患者と「出会い系アプリ」のヤバい関係

保健所の相談窓口でもここ数年、これら出会い系アプリの利用を打ち明ける相談者が出てきているそうです。

帝京大ちば総合医療センターの鈴木陽介医師らは、東京、大阪、岡山など人口当たりの梅毒患者が多い都道府県は、アプリ利用率も高い傾向があるとの調査結果をまとめ、昨年秋の日本性感染症学会で発表しました。

鈴木医師は「アプリ利用による男女の接触が新たな感染経路になっている可能性があり、詳細な調査と対策を急ぐべきだ」と指摘しています。

厚生労働省は今月から、患者発生の届け出が医師からあった場合、性風俗産業に従事していたかを尋ねるなどして感染経路を詳しく分析する方針です。

 

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出会い系アプリと梅毒患者の因果関係とは?

梅毒の感染増加に関係していると見られているのは、SNS上で広告を行っているような「マッチングアプリ」や「出会い系アプリ」です。

前出の鈴木医師の研究では、都道府県別に、ある3つの出会い系アプリの人口あたりの利用率と、人口あたり新規梅毒発症者数との相関関係を調べています。

その結果、驚くべきことに、各々の出会い系アプリの利用率が高いところでは、梅毒の患者も多くなるという、「相関関係」が見られました(ちなみに「相関係数」はそれぞれ0.76、 0.74、 0.69。この数値が1に近くなるほど正の相関関係が強くなります)。

「出会い系アプリ」が原因で梅毒が増えた、と言い切れるハッキリした「因果関係」はまだ実証されていませんが、両者に関係がある可能性は高いのではないかと考えられます。

研究を行った鈴木医師も、「まだまだ調査は必要ではあるものの、日本においてもマッチングアプリ(出会い系アプリのこと)の普及が、性感染症の一つである梅毒を増加させている可能性は高い」とコメントしています。

また、性と心理学の研究者である米ボール州立大学のジャスティン氏が、デートまで漕ぎつけるアプリユーザーの性生活に関する調査を行いました。

その結果、アプリユーザーはそれ以外の人々よりも性的パートナーが多い傾向があることを示唆していることがわかり、これは、アプリに慣れ親しんだ人がそうでない人よりも性的に活発である可能性があることを意味すると指摘しています。

もっともジャスティン氏は、問題なのはアプリの存在そのものよりも、アプリを使用するユーザーの行動意識の方であると付け加えています。

さて、こうして出会い系アプリの普及に伴って梅毒の患者が増えているということは、その背後でほかの性病が急増している可能性も高いかもしれません。

性病の病原体の種類は30種類を超え、梅毒はその一種にすぎないからです。

出会い系アプリが性感染症を増やしているかどうかを、明確に証明するのはなかなか難しいことですが、一因であることは明白です。

かと言って、関係性があるかもしれないから、アプリ自体を厳しく取り締まる必要があると結論づけるのも早計かもしれません。

大切なのは、性感染症が決して他人事ではなく、誰しもが身近な問題であることを自覚すること、そしてその怖さを知り、相手の身のこともケアできるよう知識を持つこと、ではないかと思います。

学校の授業で習っていないから知らなかった、では済まされません(我が国の性教育?それはまた別の問題ですが)。

自分のカラダは自分で守るしかありませんし、出会い系アプリを利用するかどうかは自己責任、病気の感染は連帯責任、自らが病原となって社会に迷惑をかけないよう肝に銘じておくことが大切ですよね。

 

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