全国でインフルエンザが猛威を振るっています。

処方薬の中で、昨年3月に登場した「ゾフルーザ」が、新聞やテレビなどでたびたび紹介され、注目を集めています

出典元:NIKKEI STYLE インフルエンザ薬、ゾフルーザ処方前に知るべき注意点

インフルエンザの流行が拡大しています。

国立感染症研究所感染症疫学センターが2019年1月18日に発表したデータによれば、全国42都道府県で警報レベルを超え、本格的な流行期に入ったとのこと。

インフルエンザは、日本人のほぼ10人に1人が症状を訴えて医療機関を受診する大規模な流行性疾患と言われています。

インフルエンザの処方薬ではタミフルがポピュラーですが、ゾフルーザは、ケースによってはタミフルより効く、と評判です。

気になるゾフルーザ、処方前に、その注意点をお話しします。

 

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インフルエンザ薬として注目のゾフルーザ、特徴とは

インフルエンザの予防法としては、ワクチン接種のほか、手洗いを習慣化する、十分な休養をとる、人混みを避ける、適切な湿度を維持するなどの対策が推奨されています。

しかし、どの対策も100%予防できる保証はありません。

インフルエンザ治療薬は、万一かかってしまった場合、少しでも早く症状を改善するために有効とされています。

現在、病院や診療所で処方してくれる主なインフルエンザ治療薬を下の表に示します。

出典元:NIKKEI STYLE インフルエンザ薬、ゾフルーザ処方前に知るべき注意点

表には、飲み薬が2種類と吸入薬2種類、点滴薬1種類があります。

この中で、注目を集めているのが、昨年3月に登場した「ゾフルーザ」です。

ゾフルーザの第1の特徴として、患者にとって使い勝手がよいことが挙げられます。

タミフルでは1回の治療で1日2回、5日間の計10回薬を飲む必要があります。

これに対し、ゾフルーザは体重80キログラム未満の大人ならカプセル2錠(80キログラム以上の人は同4錠)を1回飲むだけで済みます。

もう1つの注目すべき特徴は、ウイルスの排出がいち早く止まる効能があることです。

実際にインフルエンザにかかった人に、ゾフルーザ、タミフル、プラセボ(本来は薬効のない偽薬)を飲ませて比較した研究(臨床試験)を行った結果があります。

プラセボを飲んだ群では、ウイルスの排出が止まるまでの時間が4日(96時間)だったのに対し、ゾフルーザを飲んだ群ではわずか1日(24時間)と大幅に短縮されていました。

また、タミフルを飲んだグループは3日(72時間)で、こちらもゾフルーザ群と明らかな差がつきました。

ウイルス排出がいち早く止まるというゾフルーザの特徴について国立病院機構東京病院臨床研究部長の永井英明氏は、

「十分なデータが集まらなければ確証が持てないが、周囲の人への感染を減らす可能性がある」

と述べています。

学校保健安全法の施行規則では、インフルエンザにかかった子どもの出席停止期間を発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)としていますが、今後、十分なデータが集まれば、ゾフルーザを使った場合には出席停止期間を短縮できるようになるかもしれない、とのことです。

これは、ゾフルーザの処方が一般的になれば、インフルエンザのための休校期間を短くできる可能性がある、ということですね。

感染による苦痛を、1日でも減らすために、ゾフルーザに期待したいところです。

もっとも、インフルエンザに感染しなければ飲む必要はないわけですが。

 

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ゾルフーザはタミフルより効く?処方前に注意する点

ゾフルーザは、タミフルとは違うメカニズムでインフルエンザウイルスに働きます。

インフルエンザウイルスに感染すると、呼吸器の細胞の中で増殖し、細胞から飛び出して別の細胞へと広がっていきます。

タミフルは、増殖したインフルエンザウイルスが細胞から飛び出すのを妨げることで、病気の進行をくい止めます。

一方、ゾフルーザは、細胞の中でウイルスが増殖する仕組みを遮断し、増殖そのものを抑える働きがあります。

すなわちゾフルーザは、周囲への感染を減らす可能性も持ち合わせている、ということです。

ゾフルーザについては問題点も指摘されています。

臨床試験でゾフルーザを飲んだグループから、ゾフルーザの効き目が低下した「耐性ウイルス」が見つかったことが取り沙汰されています。

感染症疫学センターが1月21日に発表した調査結果などによれば、昨年12月初めに集団感染があった横浜の小学校で、ゾフルーザを服用した低学年の児童2人から、耐性ウイルス(H3N2型)が検出されたそうです。

検出された耐性ウイルスによるゾフルーザの効き目の低下はそれほど大きなものではありませんが、今後、耐性を持ったウイルスが増えたり、耐性が強まったりすれば大きな問題に発展する恐れがあるそうです。

また、現時点では、薬の値段(薬価)が高いこと。

タミフルは1回治療分(1日2回×5日分)で2,720円ですが、ゾフルーザは4,789円と2倍近い値段です。

タミフルには昨年発売されたジェネリック品があり、それだと1,360円、3割負担の保険診療で比較すると1,000円ほどの差がつきます。

このような事情で、一部の医師や医療機関には、今シーズンはゾフルーザを使わないと宣言したところもあります。

一方で、ウイルス排出停止が早いこと、治療期間中1回の服用だけで済むことなどを評価し、処方に踏み切っている医療機関もあります。

新薬のゾフルーザ、一般化して値段が落ち着くまで、時間が必要かもしれません。

 

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インフルエンザの予防、感染拡大を防ぐエチケット

インフルエンザのように感染性が強い病気では、かからないための予防、かかってしまったときの治療は当然のことですが、感染してしまったかもしれないときに他人にうつさない対策も必要です。

最近では、すっかり影を潜めてしまいましたが、以前、新型インフルエンザが流行したときには多くの人が守っていた「せきエチケット」というものがあります。

永井氏は、

「かぜのごく軽い症状が見られるだけの人にインフルエンザの検査を行うと、インフルエンザに感染している人がしばしば見つかる。

典型的な症状があれば、一般の人でも分かるが、症状が軽ければ受診もしないし、せきエチケットなどもおろそかになる」

と注意を呼びかけています。

せきエチケットとは、

(1)せきなどの症状が続くときはマスクをする

(2)マスクをしていないときの急なせきやくしゃみは、手のひらではなく袖で受けるというマナーを徹底する

という、少しの気遣いです。

インフルエンザの流行期には、症状が軽くても他人に感染させる可能性があることを肝に銘じておいてください。

また、インフルエンザの流行期には、健康な人も手洗いの徹底やマスクの装着など、できるだけのことをした方がよいです。

マスクはウイルスが呼吸器に入り込むのを完全に防げるわけではなく機能は限定的ですが、呼吸する空気の湿度を高めたり、無意識に口や鼻に手が触れてウイルスがつくのを防ぐ効果があります。

暖かい季節になるまで、人混みでは装着するようにすることは、予防や感染防止につながります。

それでももし、インフルエンザにかかってしまったら、自分や家族の状況と症状のつらさなどを医師によく相談し、治療薬を使う、使わないという選択肢も含め、最適なインフルエンザ治療を受けられるようにしましょう。

 

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