高橋大輔選手、11月3日、4日に行われたフィギュアスケート西日本選手権に出場、男子シングルで見事、優勝しました。
4年ぶりに現役復帰後、2戦目での優勝、12月に大阪で行われる全日本選手権の出場権を獲得しました。
ところで、32歳、ベテランの域に入る高橋大輔は、コレオシークエンスが得意です。
4回転などの派手なジャンプがクローズアップされがちな男子のフィギュアスケートですが、演技全体の完成度も重要です。
地味ですが、ステップやターンなどの組み合わせの演技である、コレオシークエンスやステップシークエンスの基礎点、GOE(出来栄え点)をいかにゲットするか、トップ争い、特に僅差での争いではここでの高評価が大切になります。
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高橋大輔のコレオシークエンスは現在も1級品
コレオシークエンスとは、正確には、コレオグラフィック・シークエンス、フィギュアスケート競技の要素のひとつです。
コレオシークエンスは、ステップ、ターン、スパイラル、アラベスク、スプレッド・イーグル、イナ・バウアー、ハイドロブレーディング、繋ぎのジャンプ、スピン動作といったあらゆる種類の動きから構成されます。
また、もうひとつの必要な要素として、ステップシークエンスがあります。
ステップシークエンスとは、フィギュアスケートの足さばきのことを総称する言葉で、ステップとも呼ばれます。
ステップシークエンスでは、片足で方向転換するものをターン、それ以外のものをステップと呼んでいます。
そして、コレオシークエンスは、ステップシークエンスの後で行わなければならないという決まりがあります。
フィギュアスケートのルールや点数の基準は、毎年のシーズンごとに、ISU(国際スケート連盟)総会にて見直し、変更や改正などの決定をしています。
得点競技のフィギュアスケートでは、技術点、構成点、減点を算出し、合計した総合得点で勝敗を決めます。
技術点は更に、基礎点とGOE(Grade Of Execution=出来栄え点)に分かれています。
コレオシークエンスやステップシークエンスの上手な選手は、基礎点のみならず、GOEで加点をもらうことができますので、たとえばジャンプが得意でなくとも、上位をうかがうチャンスが有るというわけです。
フィギュアスケートがテレビで放送されるとき、解説者の技の説明に耳を澄ませると、コレオシークエンスやステップシークエンスという言葉を聞き取ることができます。
これらのシークエンスが得意な高橋大輔には、現在も1級品の価値があります。
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コレオシークエンスのGOEはルール改正によりアップ
2018-2019シーズンのルールは、6月のISU総会にて改正されましたが、男子シングルに特に影響が大きい変更があったと言われています。
スピン・ステップの基礎点が変更され、従来のコレオシークエンスの基礎点が2.0から、3.0に増えました。
そして、大きいのはGOE(出来栄え点)の変更です。
具体的には従来の7段階から11段階に変更されました。
今まで「+3~0~-3」だった評価が「+5~0~-5」と幅が広がるということです。
そして、コレオシークエンスのGOE(出来栄え点)も、新基準の11段階で評価されます。
今回の変更には、コレオシークエンスの評価を高めて、出来栄えでも差をつけようとする意図がうかがえます。
すなわち、基礎点と出来栄え点がアップするので、加点をもらえるコレオシークエンスの得意な選手は有利になります。
高橋大輔にも、大きなアドバンテージとなるはずです。
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高橋大輔のGOE、全日本選手権の高評価に期待
高橋大輔は、西日本選手権において、4回転ジャンプを1本も入れていません。
本人は、全日本選手権では1本くらい4回転ジャンプを跳ぼうと思っている、とコメントしていますが、転倒や失敗のリスクは否めません。
トップ選手に目を向けると、上位を狙うためのプログラムには、必ず複数の4回転ジャンプが含まれています。
見ている方からすれば、フィギュア男子の興味は、完全に4回転ジャンプです。
先日、ヘルシンキで行われたフィギュアスケート・グランプリシリーズ、フィンランド大会で優勝した羽生結弦選手は、完成度を重視し、あえて4回転半ジャンプを封印したとのこと、次元が違いますね。
今や、4回転は必須ジャンプの時代になりました。
しかし、勝敗はジャンプの出来、不出来ではなく、総合得点で決まるのがフィギュアスケートです。
高橋大輔には、さらなる進化を遂げ、コレオシークエンスでGOEを稼いで、ぜひ全日本選手権の表彰台に上ってほしいと思います。
復活を喜ぶファンが大勢いる中で、高橋大輔の大舞台での活躍を期待しています。
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