フィギュアスケート女子シングル、16歳の紀平梨花(きひら りか)選手は、シニアのGPデビュー戦となるNHK杯で、SP(ショートプログラム)の演技を終え、全体で5位の成績となりました。
彼女が注目される理由のひとつ、トリプルアクセル(3回転半)ジャンプは惜しくも転倒、にもかかわらず、その他の演技で出来栄え点加点をもらうなど健闘し、69.59点の高得点を獲得しました。
今年9月に出場したオンドレイネペラ杯でのSP自己ベスト70.79点にはわずかに及びませんでした。
紀平梨花は、前週の西日本選手権でトリプルアクセルを2度決めるなどして優勝しています。
その勢いにも乗り、彼女は初のGPシリーズに出場、優勝候補の一人に挙げられています。
フィギュアスケート女子、最近ではロシアのザギトワが平昌オリンピックで女王の座に就いて、彼女の時代を築こうとしています。
ザギトワと世界一を争うライバルに成長すべく、日本では、同じ世代の紀平梨花の台頭に期待が寄せられています。
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紀平梨花のNHK杯SP、トリプルアクセル転倒で5位発進
紀平梨花が転倒したトリプルアクセル(3回転半)は極めて難しい技です。
今回のGP第4戦 NHK杯でトリプルアクセルを跳ぶ女子は紀平梨花の他には、ロシアのトゥクタミシェワのみです。
トゥクタミシェワはトリプルアクセルを着氷、無事成功し、SPで1位、トップに立ちました。
トリプルアクセルは女子選手にとって最難関、憧れの技のひとつ、男子の上位でも苦手とする選手がいるほどですから。
このジャンプをISU公認の国際大会で成功させた女子選手は、フィギュアスケート史上でも数えるほどしかいない、高難度の技です。
ちなみに、女子選手で初めて成功させたのは、1988年のNHK杯のときの伊藤みどり選手でした。
もしも紀平梨花がトリプルアクセルを成功し着氷していれば、トップ3に入る高得点を得たかもしれません。
SPの5位発進、フリーでの逆転を期待します。
ついこの前までは、彼女が尊敬する浅田真央さんが、トリプルアクセルの第一人者でした。
紀平梨花は、その地位を継承する存在となってほしいところです。
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紀平梨花は、3回転-3回転の連続ジャンプで出来栄え点加点
紀平梨花は、冒頭のトリプルアクセルは転倒したものの、3回転フリップ―トーループの連続ジャンプは着氷、ステップからの3回転ルッツも成功しました。
今年のルール改正で見直しのあったGOE(出来栄え点)の加点を得て、メダル圏内への可能性を残す、5位に入りました。
演技終了後は悔しそうな表情を見せましたが、観客から拍手を送られると笑顔で応じていました。
彼女は、昨年のジュニアGPファイナルで史上初めて、トリプルアクセル(3回転半)-トリプルトゥーループ(3回転)の連続ジャンプに成功するなど、連続ジャンプには定評があります。
また、技術面においても、3回転半などの助走、空中での動きも徐々に難度を上げており、実戦ではスピンとステップで全て最高評価のレベル4を獲得するなど、全体的な成長を印象づけています。
シロウト目線で見ると、ジャンプが成功するかどうか、ばかりに気を取られてしまいますが、羽生結弦や宇野昌磨が一度ジャンプを転んでも1位になることがあるように、それは一つの要素に過ぎません。
フィギュアスケート競技は、スピンやステップ、ジャンプへの入り方や技と技のつなぎ、全体の流れ、全てにおいての技術点、出来栄え点の積み重ね、合計得点の勝負です。
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紀平梨花は、トリプルアクセル2本跳んで逆転メダルへ
紀平梨花は、シニアデビュー戦のオンドレイ・ネペラ杯(9月、スロバキア)では、浅田真央以来2人目となる女子の国際スケート連盟公認大会フリーで2本のトリプルアクセル(3回転半)ジャンプに成功しています。
前週の西日本選手権、4日の女子フリーでも、彼女はトリプルアクセルジャンプを2本そろえて決めました。
紀平梨花は、明日のフリーの演技でトリプルアクセルジャンプを2本決めれば、逆転のメダルが見えてきます。
日本の他の選手は、宮原知子選手が2位、三原舞依選手が3位と好位置につけています。
1位はロシアのトゥクタミシェワ選手、彼女は今季出場のすべての大会で優勝しており、ライバルに隙を与えていません。
ミスを期待するわけではありませんが、失敗は誰しもするもの、トゥクタミシェワと紀平梨花のトリプルアクセルの出来不出来が、優勝争いを混沌とさせるかもしれませんね。
NHK杯、地の利を活かして、日本人で表彰台を独占できるよう、応援しましょう。
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