ロシアのプーチン大統領と安倍晋三首相は、訪問先のシンガポールで、11月14日の夜(日本時間同)、約1時間半会談しました。

出典元:日本経済新聞web版 日ロ、56年宣言を基礎に平和条約交渉加速 首脳会談

プーチン大統領と安倍首相の日露首脳会談は、今回で23回目を数えます。

プーチン大統領が、今年の9月にウラジオストクで開いた東方経済フォーラムの全体会合で

「何の事前条件も付けずに、年末までに平和条約を締結しよう」

と提案してから初めて、実現したものです。

今回の日露首脳会談では、北方領土での共同経済活動の進捗状況を確認しました。

そして、領土交渉を含む平和条約締結交渉を加速させることで合意しました。

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プーチン大統領と安倍首相の日露首脳会談の進捗状況

日ロ首脳会談において、ロシアのペスコフ大統領報道官は話し合いが終わった後、記者団に向けて

「1956年の日ソ共同宣言に基づき、平和条約の交渉プロセスを積極的に行うことで合意した」

と述べました。

56年宣言では「歯舞群島(はぼまいぐんとう)と色丹島(しこたんとう)を日本に引き渡すことに同意する」としています。

さらに「日本とソ連との間の平和条約が締結された後に、現実に引き渡されるものとする」と明記しています。

56年宣言は、日本とロシアの前身のソ連が同意した唯一の法的拘束力のある文書として記録されているということですが、2018年の現在からすれば、62年前の約束ということですよね。

国際問題というのは、長い年月をかけて解決していくものなのでしょうが、ようやく力を入れて協議しましょうという段階なのでしょうか?

時代が変わり、リーダーも変わり、国の関係をどのように導いていくのでしょうか?

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プーチン大統領は領土問題を含む平和条約交渉を加速?

プーチン大統領は依然として、日露間では十分な信頼関係が築けていない、と主張しています。

プーチン大統領と安倍首相は、2013年4月、モスクワにおける日露首脳会談で、領土問題で双方が受け入れ可能な解決に向けて交渉を開始しました。

その際、平和条約交渉再スタートで合意し、5年以上が経ちます。

しかし、交渉に入る前の実質的な条件として、北方領土4島(歯舞群島、色丹島、国後島(くなしりとう)、択捉島(えとろふとう))での共同経済活動の実現を求めてきたものの、現時点ではその目処が立っていません。

出典元:公益社団法人 北方領土復帰期成同盟 各島の地図

以前から、北方領土4島の帰属問題を巡る立場の隔たりが大きい中、安倍首相は今回の会談で、実質的に歯舞群島と色丹島の2島引き渡しで合意を狙う姿勢を見せました。

ロシアとしては、労せずして譲歩案を引き出したとも言えますが、直ちに2島で合意する意欲はあまりなさそうです。

それはプーチン大統領が、まず日本と善隣友好条約を結び、その後に国境問題に臨みたいとの考えを繰り返しているからです。

つまり、順番が逆なのです。

またロシアは、2島を引き渡す場合には在日米軍を駐留させないよう保障を求めていますが、日本は日米安保上それは譲れない、アメリカとの関係が邪魔になり、簡単には合意できそうにありません。

日本とロシアの関係は、アメリカとロシアの関係と密接に関わっているということでしょう。

しかしながら17日の報道では、安倍首相が北方領土を非軍事化する提案をプーチン大統領にしていたことが報じられています。

アメリカがこれに同意するかどうかの見通しがあるとは思えませんし、ロシアが既に軍事化を進めている国後島と択捉島において、これを非軍事化する同意を得ることは困難かもしれません。

いずれにしても、平和条約へ向けて交渉を加速化すると報道されているにもかかわらず、ロシアの意欲は明らかではないようです。

ただ、北方領土問題を考えるとき、国後島と択捉島に対して日本が踏み込む姿勢がないのは残念と思わざるを得ません。

歯舞群島と色丹島だけでも確保して、早くこの問題を終わらせたいということなのでしょうが、日本の国益からすればあまりにも不平等だと、個人的には思います。

北方領土4島は、56年より以前、1945年、第二次世界大戦終戦直後のどさくさの中で、ロシアの全身、旧ソ連から日ソ中立条約を無視して占領された、というのが日本の立場のはずです。

2島で解決というシナリオでは、関係者の方は納得しないのではないのでしょうか。

ところで、政治において外交というのは華がありますが、安倍総理は外交が大好き、国政より熱心に取り組んでいるように見えます。

安倍総理の気持ち、わかるような気もしますが、上げ足を取られないように実りのある交渉をお願いしたいですね。

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プーチン大統領の身長は170cm、安倍首相と並ぶと納得

テレビで2人が並んでいる姿を見ると、安倍首相のほうが大きかったです。

プーチン大統領の身長は、公表170cm、ロシア人としては小柄な方でしょうか?

プーチン大統領の体格について、私は既成概念というか、少なくとも180cm以上あると思い込んでいました。

ところが今日、日露首脳会談で安倍首相と並んでいる場面を見て、思い違いであることがわかりました。

調べてみると、公表の数字で170cm、日本人の身長としても高い方ではありません。

安倍首相の身長が、175cm、プーチン大統領より背が高いんですね、意外でした。

ちなみにアメリカのトランプ大統領は、190cm、縦も横も大きいです。

中国の習近平主席は、180cm、テレビで見るよりも背が高い気がします。

いやいや、身長の高い低いで政治をやるわけではないので、取り立てて問題にする話ではありません。

ロシア人は日本人より体格がいい、ことさらプーチン大統領は身長が高いはず、と思いこんでいた私の先入観が間違っていました。

プーチン大統領と言えば、元KGBのエージェントであったり、柔道家であったり、ワイルドなイメージが先行してそのように感じていたのかもしれません。

百聞は一見に如かず、いつも肝に銘じておきたいと思います。

 

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