小林陵侑(こばやし りょうゆう)は、22歳の男子スキージャンプ選手です。

25日にフィンランドのルカで行われた、ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子大会、個人第3戦(ヒルサイズ=HS142メートル)、1回目に140メートル、2回目に最長不倒、ルカのジャンプ台記録に並ぶ147.5メートルを飛び、合計310.4点で優勝しました。

出典元:東京新聞web版 小林陵、完璧2連勝 スキーW杯ジャンプ

個人第2戦で初優勝を遂げた小林陵侑は、W杯2連勝を飾りました。

平昌オリンピックのノーマルヒル金メダルのアンドレアス・ウェリンガー(ドイツ)が2位、同ラージヒル金メダルのカミル・ストッフ(ポーランド)が3位、小林陵侑はオリンピック覇者を凌ぐ堂々の大ジャンプを見せました。

小林陵侑の実兄、小林潤志郎(雪印メグミルク)は18位、中村直幹(東海大)は23位、レジェンドこと46歳の葛西紀明(土屋ホーム)は38位でした。

ウインタースポーツの中で、昔は日本のお家芸と言われた男子のスキージャンプも、ルール改正やスキー板などツールの変更に振り回され、日本人選手の活躍は影を潜めていました。

小林陵侑の2連勝は、その状況を一気に払拭、日本人が今シーズンのチャンピオン争いに絡む展開を期待したいところです。

 

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小林陵侑がジャンプ台記録、フィンランドのルカ大会

小林陵侑の2回目のジャンプは、ルカのジャンプ台記録に並ぶ147.5メートルの大跳躍、1回目の140メートルと2本そろえ、飛距離換算で2位に12メートル以上の大差をつける圧勝でした。

飛距離と得点、共に2回ともトップ、平昌オリンピックの2人の覇者を抑え、2戦連続で表彰台の真ん中に立ちました。

本人曰く「断トツで嬉しかった」日本人選手がジャンプで2連勝する姿を見るのは何年ぶりのことでしょうか。

特に2回目の跳躍は圧巻でした。

1人だけ他の選手より2段も低いスタート位置からの助走、鋭く、そして力強く踏み切った小林陵侑は、ヒルサイズを超えて、ルカのジャンプ台記録に並ぶ大ジャンプを決めました。

飛びすぎて尻もちをつきそうになるほどでした。

 

小林陵侑はヒルサイズ超えでジャンプW杯2連勝を飾る

小林陵侑が見せたヒルサイズ超えの大ジャンプの飛距離147.5メートルは、1998年にレジェンド葛西紀明が飛んだラージヒル最長記録に並ぶ距離でした。

彼が所属する土屋ホームの兼任監督を務めるレジェンド葛西紀明も、自身のブログで快挙を祝福しました。

陵侑がワールドカップ フィンランド大会二連勝しました!!(∩゜∀`∩)キャ━━ッ!!

覚醒してもう誰も手を付けられない状態です!
 

出典元:葛西紀明オフィシャルブログ「神風ジャンパーの挑戦」

なかなかお茶目なブログですね。

葛西紀明もK点超えの121.5メートルを飛び、徐々に調子を上げている様子です。

2014年11月に葛西紀明がW杯最年長優勝記録を42歳5カ月に更新した記念すべきルカで、小林陵侑選手が初優勝からの2連勝、関係者にとっては大変嬉しい快挙になりました。

世代交代が停滞していた日本にとっても、W杯シーズン開幕早々、待望のニューヒーロー誕生と言えるでしょう。

ちなみに、W杯の複数勝利は、日本男子では伊東大貴(雪印メグミルク)以来、9人目です。

葛西紀明、伊東大貴とも大ベテラン、22歳の小林陵侑には、日本のエースとしての役割も担ってほしいですね。

 

小林陵侑は今シーズン初戦から男子個人3戦連続表彰台

小林陵侑は、個人第1戦から第3戦の3戦連続で表彰台に立ちました。

第1戦は2回目の着地で手をついてしまい減点を受け、惜しくも3位、前日の第2戦は天候不順のため、1回の飛躍のみでの優勝でした。

それだけに小林陵侑は、3戦目にしてやっとまともに2本そろえて大ジャンプを飛ぶことが出来た、と文句なしの快勝に頬を緩めました。

本人も「想定以上」と言う活躍ぶりです。

世界で優勝を争うライバルたちも小林陵侑を称賛し、賛辞を贈っています。

平昌オリンピック、ノーマルヒル金メダルのウェリンガー(ドイツ)

「ありえない。脱帽するだけ」

昨季のW杯個人総合王者でオリンピック、ラージヒル2連覇中のストッフ(ポーランド)

「いい意味でサプライズ。彼はスキージャンプの未来だ」

出典元:毎日新聞web版 スキージャンプ|驚がくの飛躍、五輪金メダリストを圧倒

小林陵侑は、12月の個人第4戦に向け「(3連勝)できればいい」と語っています。

3試合終了時点、個人総合ランキングで首位に立ち、勢いは止まらない感じです。

他の日本人選手にも頑張ってもらって、団体戦の優勝争いにも期待したいですね。