日本ハムの斎藤佑樹投手(30)が30日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉を行いました。
交渉後の会見で「球団に恩返ししたい」と語った斎藤佑樹、8年目の契約更改は6年連続のダウン、230万円減の1,600万円でサインしました。
日本ハムの後輩、清宮幸太郎選手が前日、1,800万円で初の契約更改を済ませたばかり、先輩の斎藤佑樹としては悔しいところもあるのではないでしょうか。
ところで、プロ野球選手で年俸が6年連続ダウンというニュースは、あまり聞いたことがありません。
6年も下がり続ける前に、普通の選手なら戦力外通告を受けてしまうことが当たり前の世界です。
斎藤佑樹には、普通の選手ではない理由があるのかもしれません。
斎藤佑樹は、「球団に恩返ししたい」8年目の契約更改
斎藤佑樹は、交渉の席で球団から期待の言葉を掛けられ「一勝でも1イニングでも多く、球団に恩返しできるようにしたい」と意気込んでいたそうです。
早いもので、斎藤佑樹も30歳、8年目の契約更改を迎えました。
しかし、彼は今季も活躍できず、3試合に登板して0勝1敗、防御率7.27と2年ぶりに未勝利でした。
斎藤佑樹は、早実ではエースとして06年夏の甲子園全国制覇に貢献し、早大を経て10年ドラフト1位で日本ハム入りしました。
11年から2年間で11勝も、ここ6年間では計、わずか4勝、通算15勝にとどまっています。
今季も6月までの2度の先発チャンスで白星を挙げられず、期待を裏切るカタチとなり、夏場は2軍暮らしが続いていました。
10月1日に1軍再昇格し、翌2日の西武戦(札幌ドーム)は8回に登板して3人で抑えましたが、白星はつきませんでした。
振り返れば、斎藤佑樹について、早実時代の甲子園で活躍した後、大学に行くかプロ入りすべきかで議論がありました。
ニューヨークヤンキースの田中将大や今年の吉田輝星のように、大学に行かず直接プロ入りしていたらどうなっていたのかと想像してみたくなります。
もしかすると早大の4年間で劣化したのでは、そのような印象が拭えない、という人もいます。
斎藤佑樹は、6年連続ダウンの年俸1,600万円でサイン
斎藤佑樹の年俸の変遷(単位:万円)は、
1,500⇒3,000⇒3,500⇒2,800⇒2,500⇒2,300⇒2,000⇒1,830⇒1,600
3年目の3,500万円をピークに、6年連続のダウンです。
このような状況にもかかわらず、斎藤佑樹は、なぜ戦力外にならないのでしょうか。
それにはいくつかの要因が関係していると言われています。
ひとつは、球団の斎藤佑樹グッズの売り上げが大きいからのようです。
ご存知の通り、彼は2軍の選手ですが、グッズにおいては1軍選手以上の力を持っています。
「ハンカチ王子」のイメージがそのまま続いているのでしょうでしょうか、さわやかイケメン、今もなお多くの女性ファンの心をつかんで離さないようです。
これがもし戦力外ともなれば、グッズの売り上げが落ちることは確実でしょう。
もうひとつは、栗山監督の斎藤佑樹びいき、成績がどれだけ下がっても彼を使いたがると言います。
他にもっと頑張っている選手がいるのに、なぜ不振の斎藤佑樹を使うのか、とファンからもブーイングが出るほどです。
日本一になるために戦力として貢献できるようにしたい
斎藤佑樹は、プロ9年目となる来季へ向けて
「こうしてチャンスをいただいているので、1勝でも1イニングでも多く球団に恩返しできるように頑張りたい。日本一になるために戦力として貢献できるようにしたい」
と抱負を口にしました。
契約更改の前日には早大時代のチームメート福井優也の、楽天へのトレード移籍が発表されました。
西武の大石達也を含め、大学球界を沸かせた“早大ドラ1トリオ”がパ・リーグに3人そろうことに。
斎藤佑樹は、「いい機会。福井にとっても、僕らにとっても、刺激になれば」と活躍を誓いました。
入団以降どんどん成績が下がり仲間からも疎まれ、週刊誌には叩かれ、となれば普通の人なら心が折れて立ち直れないかもしれません。
しかし、彼の場合はそうではなく、どこでどれだけバッシングされたとしても、気にも留めず前へぐいぐい進む力を持っているように見えます。
実際には、どうかわかりませんが、そんなふうに見えます。
その超プラス思考が何かのきっかけでブレイクし、彼の成績に反映される日が来るのではないか、球団関係者や監督も、それを期待しているのではないでしょうか。
斎藤佑樹、彼のプラス思考が本物であれば、ぜひ見倣いたいものです。