12月9日、新たに豚コレラのイノシシへの感染が確認されました。
治療法はないと言われる豚コレラは、高い致死率が特徴です。
確認されたのは、今年9月以降、ブタやイノシシへの豚コレラの感染が連続している、岐阜県の関市にある民間のイノシシ飼育施設です。
豚コレラへの感染が確認されたのは、これで4例目です。
岐阜県によれば、飼育施設で、9日、メス1頭が死に、県が検査を行ったところ、10日朝、豚コレラに感染していたことがわかったということです。
9月9日、岐阜県の養豚農場において、我が国では、1992年以来26年ぶりとなる豚コレラの発生が確認され、11月16日に岐阜市畜産センター公園において2例目の発生、12月5日に岐阜県畜産研究所において3例目の発生が確認されました。
今年、相次いで確認された豚コレラとは、どのような病気で、人に影響はあるのでしょうか。
豚コレラの治療法はあるの?高い致死率が特徴の伝染病
豚コレラは、豚コレラウイルスにより起こる豚、イノシシの熱性伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴です。
感染した豚やイノシシは、唾液、涙、糞尿中にウイルスを排泄し、これにより汚染された物品等と他の豚やイノシシが接触することにより感染が拡大していきます。
豚コレラの治療法は無く、発生した場合の家畜業界への影響が甚大であることから、家畜伝染病予防法における家畜伝染病に指定されています。
豚コレラは、豚やイノシシの病気で最も恐ろしいものです。
急性の経過をとるものが多く、約 40℃の高熱を出して食欲がなくなり、立っていられなくなります。
一般的に、まず便秘の症状のち悪臭のある下痢をします。
耳根部や下腹部などに発疹や紫斑が生じ、ほとんどが発病後1週間ぐらいで死んでしまいます。
夏から秋にかけて多く流行し、特に一度も発生したことのない地域では被害が甚大となるので、予防注射や豚舎の消毒などの予防処置が必要です。
日本で26年ぶりに相次いで見つかった豚コレラ、家畜業界において大きな脅威となっています。
豚コレラ、岐阜県でイノシシ感染確認、今回で4例目
岐阜県にある豚やイノシシの飼育施設で豚コレラの感染が確認されたのはこれで4例目で、県は防疫措置を進めるとともに感染の原因を調べることにしています。
施設では死んだイノシシのほかに22頭が飼育されていて、県は感染拡大を防ぐため、10日午後7時すぎまでにすべてのイノシシの殺処分し、施設からおよそ550メートル離れた施設の所有者の土地にイノシシを埋める、としています。
また、県は関市にある施設で、施設の近くに住む住民を対象に説明会を開きました。
説明会は飼育施設近くの公民館で開き、地域の住民20人余りが参加しましたが、この会で県は、豚コレラは人に感染しないことや今後の殺処分など防疫措置のスケジュールを説明しました。
説明会に参加した65歳の男性は
「身近な場所で豚コレラが出て驚いている。イノシシを埋めたあと、水や農作物に影響が出ないか心配です」
と話していました。
人畜無害という言葉がありますが、豚コレラの場合は、人無害で蓄被害ということでしょうか。
頭で理解しても、何か人にも影響があるのではないかと心配してしまうのは、私たちは豚を日常的に食べるものと認識しているからかもしれませんね。
被害拡大を防止するためにすべて殺処分という措置は、いつも心が痛みますが、いずれ人の胃袋に入る家畜の運命とそれを照らし合わせてどうかと考えたり、人間とは身勝手な生き物だと呆れたりもします。
豚コレラの人への影響、食べてしまったらどうなる?
豚コレラは、ウイルスによる豚やイノシシ特有の伝染病です。
農林水産省によれば、伝染力が強く、発熱や下痢などの症状が出て致死率が高いと言われていますが、人には感染しません。
内閣府の食品安全委員会は、仮に感染した豚やイノシシの肉などを食べても人体への影響はないとしています。
私の場合、なんとなく鳥インフルエンザとイメージが重なってしまい、何かしら人にも悪影響があるのではないかと考えてしまうのですが、そこはきっぱりと否定されています。
鳥インフルエンザは、鶏肉や鶏卵を食べて人に感染した例は無いとされていますが、鳥や豚などに感染を繰り返し、ウィルスが突然変異を起こして強い毒性を持つことがある、などと言われますし、人への感染、死亡例があります。
似たような感じで、豚コレラも人に感染することがあるのではないかと。
いいえ、ありません。
根拠のない噂などにより混乱することなく、正確な情報に基づいて冷静に対応するようにしてください。
と、国の出先機関が言っているので、安心して良いのかもしれません。
豚コレラについて、正確な情報をたよりに、デマに惑わされないよう気をつけましょう。