芥川賞と直木賞の違い、ご存知ですか?
年末になると話題になるのが、芥川賞と直木賞、17日付で、平成最後の受賞候補作が発表されました。
今回、第160回芥川賞の候補作に、社会学者の古市憲寿氏(33)の作品が選ばれ、話題になっています。
古市氏は、社会学者としてテレビ番組のコメンテーターを務めるなど多くのメディアで活躍しています。
平成をテーマにした小説『平成くん、さようなら』が、初めての候補となりました。
選考会は来年1月16日夕、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれます。
芥川賞と直木賞の違いとは何でしょうか?素朴な疑問
芥川賞と直木賞は同時に選考されますが、その違いについて説明します。
芥川賞は芥川龍之介の名を冠した『純文学』が選考基準の新人作家が対象の文学賞です。
『純文学』とは、芸術性や形式について重きをおいた文学、一つのテーマに基づいて書かれることが多い、とされています。
対して、直木賞は直木三十五の名を冠した『大衆文学』が選考基準の新人及び中堅作家が対象の文学賞です。
『大衆文学』とは、純文学と比べて、娯楽性や商業性を重んじる文学、ストーリーや話の展開を意識したものが多い、とされています。
どちらの賞が格上か、と疑問に思う方も多いと思いますが、この2つの賞は、ジャンルや選考基準が違うのでどちらが格上ということはありません。
比較はできませんが、どちらも歴史と名誉のある、一流作家への登竜門となる文学賞です。
第160回芥川賞と直木賞、平成最後の受賞候補作発表
候補作は以下のとおりです。
芥川賞の候補作6作品()は選出回数
- 上田岳弘「ニムロッド」(3)
- 鴻池留衣「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」(初)
- 砂川文次「戦場のレビヤタン」(初)
- 高山羽根子「居た場所」(初)
- 古市憲寿「平成くん、さようなら」(初)
- 町屋良平「1R1分34秒」(2)
直木賞の候補作5作品()は選出回数
- 今村翔吾「童の神」(初)
- 垣根涼介「信長の原理」(2)
- 真藤順丈「宝島」(初)
- 深緑野分「ベルリンは晴れているか」(2)
- 森見登美彦「熱帯」(3)
芥川賞、直木賞とも、文学の新人賞というイメージがありますが、複数回、候補作が選ばれることがあるのですね。
文学は他のカテゴリーと違って、新人と年齢は関係が薄く、初めて書いて発表した時が何歳であれ、新人ということなのでしょうか。
古市憲寿の作品がノミネート、周囲の反応は?
古市憲寿氏は、社会学者としてテレビ番組のコメンテーターを務めるなど多くのメディアで活躍していますが、「平成」をテーマにした小説の執筆に挑み、初めての候補となりました。
古市氏は「空気を読まない発言」で炎上キャラとしても有名です。
「平成くん、さようなら」は、そんな同氏が執筆した初の小説です。
内容は、主人公が平成の終わりとともに安楽死をしたいと思うようになり、その考えを受け入れられない恋人と死について考える、という、テレビで見る古市氏からは想像することができない、シリアスな小説です。
古市氏は、コメンテーターを務めるフジテレビ系「とくダネ!」(月~金曜前8:00)に生出演し、小倉智昭氏(71)からもこの日、連絡があったと伝え、
「1行目からちょっとどぎつい表現があるんですね。それなんで『ちょっとどうかな』って小倉さんからは言われました」
と告白しました。
また伊藤利尋アナウンサー(46)も、小倉から「とにかく古市先生、先生と呼び続けて、一周回って潰しちまえ」と言われていると茶化されていました。
もし、古市氏が芥川賞を受賞すれば、又吉直樹氏の受賞と同じくらい世間を驚かせてくれるかもしれませんね。
期待しましょう。